誰かにこの大変さを訴えたいというわけではないのだけれど、たて糸を通す作業というのは、とても地味でめんどうくさい作業。
1本1本をソウコウの順番(私の場合は8枚ある)を間違えないように通していく。この8枚のソウコウの順番で模様の基礎が作られているために、例えば1本間違えたり、通し忘れたりすると後々大変なことになるのだ。
たとえば、最初の方で間違えた日には、数百本をもう一度すべてを通し直す事になる。
最初の頃は本当によく間違えて、何度も通し直したし、いらいらした。
いまでもよく間違えると、毎回反省するし、気をつけないと、とは思う。ただ、やっているうちにあきらめがついた。まちがえてもしょうがない、と。
この作業はとりあえず時間に追われるわけでも、責任もない。となると、間違えると馬鹿だなぁと思うし、ちゃんとできれば誇らしい。毎回そんなのんびりした気分でやっている。
よく見るよこ糸を入れながら織っているシーン。これは全体の作業の20%くらいの作業で、実はそこまでとその後もかなりの手間が。
こんなに手間がかかってるから高く売りたい、といいたいところだが、これがなかなか無理。
この手間と時間を解消できる価格付けなんてきっとない。
と、長い時間学んできて、結論がついたところで私たちは結局「続けるため」に集っている。
ただし面白く続けるためには、そこそこの価格をつけて売る事も大事な目的ではある。