さて、今日は織物についてかたります。
私たちが主に織っているのは、細めの綿の糸を使った綿の布や、麻の布です。シャツとか、ちょっとしたバッグを作ったりするときに使うくらいの厚さだと思ってください。
市販で売っている布とどこが違うのかと言えば、風合いが違います。
「機械では絶対にだせない迫力とすごみのようなものがある」と、友達に言われた事があります。すごみかわからないけど、あたたかみはあるような気がします。
習い始める前、手織りといえばマフラー、と思っていたので、普通の綿の布を織る事になったときはすごく驚きました。驚いたのは意味がいくつもあったのだけど、そのひとつには織る事の大変さというのがあります。
たとえば布をハサミで切ったとき、端からパラパラ崩れていってしまいますが、そのパラパラの糸、たては1本ずつ手で穴に通し、よこは1本ずつ手で糸を入れているわけです。特にたて糸は横幅に応じて、数100~1000本くらい1本ずつ手で通していきます。気の遠くなる作業です。しかもたまに間違えて全部通し直すことすらあります。
この時代になぜ?わざわざこんなことをやってるのだろう?って何度も思い、すぐにこの趣味はやめるだろうと思っていました。
でも続いてる。なぜだろう?
それは、達成感と高揚感が関わっているようです。
ちゃんときれいに通せた時はとても自分がきちんとしてる気分がして、失敗をいらいらしない自分は少し大きくなった気がする。そんな達成感。
織り始めて、かわいい柄や色の組み合わせが出来たときには本当に楽しい。それに、その柄たるや、組み合わせで本当に色んな模様ができるわけで、それを見てみたい。そんな高揚感。
それから、もうひとつだけ。織物を中心に考えたときに色んな世界観が広がったこと。世界には色んな織物があって、織り方も違えば、柄も違う。その軸から考えると文化のつながり方もいっそう興味深くなってきて、その広がりは計り知れない。
あ、
ついつい熱く語ってしまいました。
私たちが団体名を「織柄図案研究所」と名付けた所以もこのあたりにあります。
今日はこのあたりで終わりますね。
というわけで、私たちは写真のような機を使って織っています。